もかみカフェ

読書記録とかお茶とか🌼防備録とひとりごと日記

素直な気持ちを大切にしたい『バニラな毎日』

とにかく装丁が素敵な、賀十つばさ著『バニラな毎日』

人生で初めて表紙に一目惚れして手にしました。

正直、内容はありがちな話なんじゃないのかなー?と、全然期待していなかったんだけど…。

読み始めてみると、ページを捲る手が止まらず…。一気に読んでしまいました。

今の自分にずっしり刺さる素敵な物語だったので、何度も読み返すと思います。

 

あらすじは、、、

こだわりのパティスリーを経営していた白井さんが、5年でお店を閉店するところから物語は始まります。

次の借り手が見つかるまで、家賃の支払いのためライバル店でバイトする白井さん。

お店の元顧客、料理研究家佐渡谷さんに頼まれて、カウンセリングを受けている人のリハビリお菓子教室を手伝う事になります。

職人気質でクールでプライドの高い白井さんと、ちょっと強引に自分のペースに巻き込んでくる元気なマダム佐渡谷さん。

二人の対象的なキャラがなかなか面白くて、悩める方々が美味しいお菓子で少しだけ自由に、心が元気になっていく素敵な物語。

このお菓子教室を通して、白井さんの気持ちにも変化が現れて…

白井さん、佐渡谷さんの新しい選択もとっても良かった!

 

主人公の白井さんを含めて、母と娘のお話があるのだけれど、母と娘というのは距離が近いだけに難しいことも多いと思う。

親が子供を心配してくれる気持ちもわかる、大切に思ってくれている気持ちもわかる。でも、それは本当に子供のためなのか?どうなのか…

親の言う事を聞いて、それでよかったこともたくさんあるでしょう。

でも、子供と親は別の人間なんです。

心配しすぎるあまり、視野が狭くなったり、無意識に子供の人生を決めつけてしまうのは、かなしいよね。

良い子は特に、親の気持ち、期待に沿えるようにまた無意識に頑張ってしまう事もあるんだ。自分が無理をしてる事を気付かないふりをして。

 

「Recipe5 自由で謙虚なモンブラン」が、個人的に一番よかったです。

後悔することもあるけど、自由になるのがまず大事。あなたのお母さんは甘いと言いつつ、アンジェリーナのモンブランが好きだった。あなたのことも好きだった。それは事実で、文句も一つの愛情表現だったのかもしれない。でもだからといって、それに合わせる必要はないわ。あなたはあなた。自由にやればいいの

 

佐渡谷さんが悩める女性に言ったセリフ…

 

あ〜私もこうすれば誰かが幸せかな?じゃなくて、私はこれが幸せなんだ!って自信を持って言いたいし伝えたい。

 

今は誰がなんと言おうと、誰かじゃなくて、自分がどうすれば楽しくて幸せかを大事にしようと思っている私ですが、若い頃はそうじゃなかったから、、でもさ、ちょっとの無理をずっと続けてると、最終的には誰も幸せにはなれないんだよなー。

 

皆、自分で選んでいいんだよ。自分の本当の気持ちを大切にしていいんだよ。

いつかの自分に読んでもらいたい作品でした😂

 

作中には美味しそうなお菓子がたくさん出てきます!

巻末にはレシピもあるよ。

 

ちょっと元気になりたい方に、サクサク読めて本当におすすめです😊✨

甘いだけのお話ではないけど、少しだけ背中を押してくれるような物語。


人生初の表紙買い!この作品を買って、読む事ができて本当によかったです😍

 

f:id:mokamicafe:20211109192542j:plain

 

よかったら見てみてね!